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コーヒー豆に対する適切な水の量とは?美味しいコーヒーは比率で決まる

公開日:2024.05.11
更新日:2024.05.14

自分でコーヒーを淹れるとき「水の量ってどのくらいがベストなのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?

実際、私自身もハンドドリップコーヒーを淹れ始めたころは”適切な水の量”をわかっていませんでした。むしろ、いつも適当に淹れていました……。

しかし、コーヒーは豆と水の量の比率で味が全く変わってきます。そこで、この記事では以下のポイントについて詳しく解説していきます。

・コーヒー1杯に使用する豆の量
・コーヒー豆の量で味が変わる理由
・コーヒー豆に対する水の量

この記事を読むことで、自宅で淹れるコーヒーの味がプロの味に一歩近づきます。美味しいコーヒーを淹れたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

編集者

SHUN HONKE

宮崎県初のクロッフル専門キッチンカーカフェ『kukuna cooffe』オーナー。Webマーケティング・クリエイティブ制作を中心に飲食店をサポート。趣味のキャンプを通じてコーヒーの魅力にハマる。その後、コーヒーの研究を重ね、ハンドドリップコーヒーを提供するキッチンカーカフェをOPEN。今後は、宮崎県の食文化を盛り上げることに尽力。

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    コーヒー1杯に使用する豆の量

    コーヒー1杯(150cc)に使用する豆の量は、10gが理想です。アイスコーヒーを淹れる場合は、1杯分が20gと倍になると覚えておきましょう。杯数に対するコーヒー豆の量を以下の表にまとめました。

    杯数できあがりの量コーヒー豆の量
    1杯分150cc10g
    2杯分300cc20g
    3杯分450cc28g
    4杯分600cc36g

    ※コーヒー1杯150ccで算出

    基本的には、1杯分が10gなので、杯数に応じて10gずつ増やしていけば問題ありません。しかし、美味しいコーヒーを淹れるコツは、3杯目以降のコーヒー豆の量を8gずつ増やすことです。

    理由は、コーヒー豆の量が増えるにつれて、注ぐお湯がドリッパー内に滞留する時間が長くなるからです。いわゆる、1杯分のコーヒーを淹れるときよりも、3杯分のコーヒーを淹れるときのほうが抽出時間は長くなるということ。

    コーヒーは、お湯に触れる時間が長くなるほど味が濃くなるので、3杯目以降は8g程度の増加がちょうど良い比率になります。

    ▶関連記事:【一覧】杯数ごとのコーヒー豆の量|美味しいコーヒーを淹れるコツとは


    コーヒー豆の量で味が変わる

    コーヒーは、豆の量で味が大きく変わります。まずは、以下2つ文章を比べてみましょう。

    1. コーヒー豆の量が10gで300ccのコーヒーを淹れる
    2. コーヒー豆の量が30gで300ccのコーヒーを淹れる

    上記の場合、1は味が薄く雑味のあるコーヒーに仕上がり、2はしっかりとコーヒーの成分が抽出された美味しいコーヒーに仕上がります。

    これは、コーヒーから抽出される成分の分量に理由があります。コーヒー豆に含まれている美味しい成分は、分量が決まっています。当たり前ですが、あれほど小さなコーヒー豆から無限にうま味成分が抽出されるはずがありません。

    また、コーヒー豆からうま味成分がなくなると、次第に雑味が抽出され始めます。そのため、少ないコーヒー豆で大量のコーヒーを淹れようとすると、味も薄く、雑味の多いコーヒーになってしまうのです。

    コーヒー豆に対する適切な水の量とは

    コーヒー豆の分量がわかったところで、次に重要なのが「水の量」です。コーヒー豆の量で味が変わるように、抽出する水の量でも大きく味が変わります。

    ドリップコーヒーで使われる国際的な抽出比率は「1:16」つまり、コーヒー豆10gの場合に必要な水の量は160gです。この比率を「ブリューレシオ(brew ratio)」と呼び、コーヒーのプロ達はこの比率を基準に調整していることがほとんどです。

    しかし、自分の好みのコーヒーが、この比率かどうかはわかりません。「1:14」が好きな人もいれば「1:17」が好きな人もいるでしょう。そのため、まずは「1:16」を基準にコーヒーを淹れ、その後好みに合わせて比率を調整するのがおすすめです。

    ▶関連記事:カフェ店長直伝!家で美味しいコーヒーを淹れる5つの方法

    比率だけじゃない!美味しいコーヒーを淹れるポイント

    美味しいコーヒーを淹れるには、豆と水の比率以外にも注意しなければいけないポイントがいくつかあります。

    1. コーヒー豆の鮮度
    2. 中細挽き~中挽きにする
    3. コーヒー粉を蒸らす

    それぞれ詳しく解説していきます。

    1. コーヒー豆の鮮度

    コーヒー豆は鮮度が命といっても過言ではありません。鮮度が落ちると、コーヒー本来の風味や苦みが落ち、味が損なわれてしまいます。

    そのため、なるべく鮮度を落とさないように保存することが重要です。コーヒー豆は焙煎から2週間程度で鮮度が落ちるので、それまでに使い切らない場合は冷凍庫などに入れて酸素に触れないようにしましょう。

    また、コーヒー豆は挽いて粉にした瞬間から酸化が始まります。挽いて保管するのではなく、コーヒーを淹れる直前に挽くことおすすめします。

    ▶関連記事:コーヒー豆の買い方ガイド!失敗を繰り返して好きなコーヒーに出会える

    2. 中細挽き~中挽きにする

    コーヒー豆を挽くとき、淹れ方に合わせた粒度(粗さ)にすることがポイントです。コーヒー豆の粒度は、大きく以下の5段階。

    挽き目特徴おすすめの淹れ方
    極細挽き細かい粉状で、苦みや渋みが出やすいため、時間のかかる抽出方法には不向きエスプレッソ
    細挽き極細挽きほどではないが、濃い目の抽出になる・水出しコーヒー
    ・アイスコーヒー
    中細挽きもっともベーシックで基準となる粒度・ハンドドリップコーヒー
    ・コーヒーメーカー
    中挽き時間をかけて抽出する淹れ方に向いている・サイフォン
    ・フレンチプレス
    ・ネルドリップ
    など
    粗挽き時間をかけて抽出する淹れ方に向いており、アウトドアでよく使われるパーコレーター


    表を見てわかるとおり、粒度によっておすすめの淹れ方が変わってきます。たとえば、極細挽きは、深く濃いコーヒーが抽出されるためエスプレッソに向いています。反対に、時間をかけて抽出するパーコレーターなどを使う場合は、粗挽きが適しています。

    このように、それぞれの淹れ方によって適した挽き方(粒度)があり、ドリップコーヒーは「中細挽き」~「中挽き」がおすすめです。コーヒーミルで挽く場合は、事前にダイヤルを調節しておきましょう。

    ▶関連記事:【初心者向け】コーヒー豆の挽き方|手動式コーヒーミルの正しい使い

    3. コーヒー粉を蒸らす

    ハンドドリップでコーヒーを淹れるとき、一気にお湯を注ぐのではなく、少し蒸らしてからお湯を注ぐことがポイントです。この「蒸らす」という作業は、コーヒー豆に含まれる炭酸ガスを放出する役割があります。コーヒー豆は、炭酸ガスを抜くことで表面積が大きくなり、成分が抽出されやすくなります。

    そのため、この「蒸らし」をするかしないかでコーヒーの味は大きく変わります。蒸らし方は、30g程度のお湯をゆっくり粉全体に注ぎ、20秒~30秒程度待つだけです。このとき、新鮮な豆を使用している場合はポコポコとガスが抜ける様子が見られるはずです。反対に、鮮度の落ちた豆を使っている場合は、ガスが抜けず何も起こりません。

    蒸らし作業は「コーヒー豆の鮮度」を確かめる機会にもなるので、ぜひ実践してみてください。

    まとめ

    コーヒーは、豆に対して適切な水の量にすることで、美味しいコーヒーに仕上がります。コーヒー1杯に使用する豆の量は10g。それに対する水の量は150~160cc(1:15~1:16)が理想とされています。これは、国際的に使用されているドリップコーヒーを美味しく淹れるための比率です。

    まずは、この比率を基準にコーヒーを淹れ、好みに合わせて水の量を調整してみてください。