カフェ店長直伝!家で美味しいコーヒーを淹れる5つの方法
「カフェに行かずに家でコーヒーを淹れたい……」
「自分でコーヒーを淹れてみたい……」
普段はカフェなどで飲むことの多いコーヒーですが、家で淹れたいと思ったことはありませんか。家で淹れるコーヒーは、味を自分好みに調整できるというメリットがあります。しかし、淹れ方や準備する道具など、わからないことが多いですよね。そこで、この記事では以下のポイントについて、詳しく紹介していきます。
・家でコーヒーを淹れる方法
・ハンドドリップコーヒーに必要な道具
・本格的なハンドドリップコーヒーの淹れ方
この記事を読めば、カフェのような”深い味わいのコーヒー”を淹れられるようになります。家で美味しいコーヒーを淹れたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
編集者
SHUN HONKE
宮崎県初のクロッフル専門キッチンカーカフェ『kukuna cooffe』オーナー。Webマーケティング・クリエイティブ制作を中心に飲食店をサポート。趣味のキャンプを通じてコーヒーの魅力にハマる。その後、コーヒーの研究を重ね、ハンドドリップコーヒーを提供するキッチンカーカフェをOPEN。今後は、宮崎県の食文化を盛り上げることに尽力。
contents
手軽で簡単!家でコーヒーを淹れる5つの方法
家でコーヒーを淹れる方法は、以下の5つです。
コーヒーの淹れ方 | 特徴 | 一杯あたりの金額 |
インスタントコーヒー | ・手軽で後片付けもラク ・コーヒーの風味は少ない | 10~20円 |
ドリップコーヒー(一杯抽出型) | ・ドリップパックによって金額が大きく変動する ・インスタントコーヒーよりもコーヒーの風味を感じられる | 20~300円 |
コーヒーメーカー | ・豆と粉の両方に対応している ・リモートワークなどに最適 | 50~100円 |
水出しコーヒー(コールドブリュー) | ・一回で大量のコールドブリューを作れる ・コスパもよく、夏に最適 | 40~200円 |
ハンドドリップコーヒー | ・本格的でコーヒーの風味が出る | 50~100円 |
本格的で美味しいコーヒーを飲みたい場合は「ハンドドリップコーヒー」がおすすめです。しかし、手軽さや後片付けなどを考えると、インスタントコーヒーやドリップコーヒーに分(ぶ)があります。自分がどのようなコーヒーを飲みたいのかを考えて、コーヒーの淹れ方を検討してみてください。
インスタントコーヒー
お湯を注ぐだけで簡単にコーヒーを作れるのがインスタントコーヒーの大きな魅力です。手軽さゆえに、コーヒー本来の風味が薄くなってしまうのがネックですが、最近では種類も増えで、味のクオリティも上がってきています。
コーヒー抽出に使用する道具を揃える必要がないので「まずは家でコーヒーを飲みたい」という方におすすめです。また、朝の出勤前や時間がないときにも便利な方法です。
●インスタントコーヒーの淹れ方
1. マグカップにインスタントコーヒー小さじ1杯を入れる(メーカーによって誤差がありますが、2gが目安)
2. 沸騰から少し落ち着かせた90℃前後のお湯を注ぐ
3. インスタントコーヒーが溶けて全体にいきわたるように混ぜたら完成
ドリップコーヒー(一杯抽出型)
インスタントコーヒーよりもコーヒーの風味を感じられるドリップコーヒー。そんなドリップコーヒーを道具がなくても飲めるのが「一杯抽出型のドリップコーヒー」です。ドリップパックとも呼ばれており、手軽に美味しいコーヒーを淹れられます。
一杯抽出型ドリップコーヒーの魅力は、すでに一杯分の量が入っているため、分量の調整が必要ないことです。パックをあけてお湯を注ぐだけなので、ちょっとしたティータイムにおすすめです。
●ドリップコーヒー(一杯抽出型)の淹れ方
1. ドリップパックを開き、マグカップにセットする
2. お湯を注いで約10秒蒸らす
3. 一杯分の目安である140mlを2~3回にわけて注ぐ
※ドリップパックによって適した抽出方法が異なります(詳細は商品裏面などをご確認ください)
コーヒーメーカー
コーヒーメーカーがあれば、コーヒー豆(粉)と水をセットするだけで簡単にコーヒーを淹れられます。全自動タイプなら、コーヒー豆を挽くところから自動で行ってくれるので、手間がかかりません。
また、コーヒーメーカーによっては、淹れたコーヒーをサーバー内で保温状態にできるものもあります。「リモートワークで、朝と昼に一杯ずつ飲みたい」など、数杯飲みたい場合におすすめです。
水出しコーヒー(コールドブリュー)
夏の暑い時期、アイスコーヒーを飲みたいときにおすすめなのが「水出しコーヒー」です。近年ではコールドブリューとも呼ばれ、冷水や常温水でコーヒーを抽出する方法です。
濃い目のコーヒーを氷で冷やすのが一般的なアイスコーヒーの抽出方法ですが、水出しコーヒーは違います。水出しコーヒーは、熱をかけずに時間をかけてゆっくり抽出するため、コーヒーの香りが溶け込み、スッキリとした味わいになります。お湯を使わずに抽出するため、苦み成分が出にくいのも大きな特徴です。
水出しコーヒーには「コーヒーバックを漬け込む方法」「ウォータードリップサーバーを使った方法」の大きく2種類があります。水出しコーヒーなら一度に多くのアイスコーヒーを抽出できるので、家族で飲む際にもおすすめです。
ハンドドリップコーヒー
インスタントコーヒーや一杯抽出型ドリップコーヒーでも、十分コーヒーを楽しめます。しかし「もう少し本格的なコーヒーを淹れたい」「コーヒーについて興味が出てきた」という方におすすめなのが「ハンドドリップコーヒー」です。
ハンドドリップコーヒーは、淹れ方次第で味や香りが変わるため、自分好みのコーヒーに調整できます。その分、コーヒー豆の挽き方やお湯の温度、注ぎ方など、美味しく淹れるためには押さえておきたいポイントがいくつかあります。
ハンドドリップコーヒーの淹れ方や必要な道具については、この後詳しく紹介します。
家でハンドドリップコーヒーを淹れる|3つの準備
家でハンドドリップコーヒーを淹れる際は、以下3つの準備を行いましょう。
1. 必要な道具を揃える
2. コーヒー豆を選ぶ
3. コーヒー豆を焙煎する
詳しく見ていきましょう。
1. 必要な道具を揃える
ハンドドリップコーヒーを淹れるときに必要な道具は、以下のとおりです。
・コーヒーミル
・ドリッパー
・ペーパーフィルター
・マグカップ(サーバー)
・コーヒーポット
・メジャースプーン(※1)
・スケール
ハンドドリップコーヒーでは上記の道具が必要ですが、最低限必要なのは「ドリッパー」「ペーパーフィルター」「マグカップ」の3つです。コーヒーポットやメジャースプーン、スケールなどは、あると便利なもので最悪なくても問題ございません。しかし、本格的なコーヒーを淹れたい場合は、準備することをおすすめします。
また、コーヒー豆の挽き方などを調整したい場合は、コーヒーミルも準備しましょう。コーヒーミルには電動タイプと手動タイプがあります。どちらでも問題ありませんが、一人分のコーヒーを淹れるだけなら使いやすい手動タイプがおすすめです。
(※1)コーヒー豆の計量に便利なスプーン。通称「コーヒースプーン」
2. コーヒー豆を選ぶ
コーヒーについて詳しくないと、コーヒー豆の選び方がわからないですよね。とはいっても「ブラジル」「ブルーマウンテン」などの名前ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
コーヒー豆の銘柄には、生産地の国名や山、出荷する港の名前が多く使われています。たとえば「ブラジル」「コロンビア」は国名「ブルーマウンテン」「キリマンジャロ」は産地の山の名前です。
このように
・単一の産地から名付けられたコーヒー豆を「ストレート」
・複数の産地や異なる焙煎度の前を配合したものを「ブレンド」
と呼びます。
コーヒー豆の銘柄によって、フルーティな味わいやボディ感(※2)酸味などが全然違います。自分好みのコーヒー豆を見つけるためにも、それぞれの特徴を把握しておきましょう。以下の表に、代表的なストレートコーヒーの銘柄をまとめました。
銘柄 | 特徴 |
ブラジル | 生産国:ブラジル バランスの良い酸味と苦味で万人受けしやすく、ナッツのようなフレーバーがコーヒーらしい |
コロンビア | 生産国:コロンビア 上品な甘さと重量感のあるコク、フルーティさもあり、バランスの良い味 |
モカ | 生産国:イエメン・エチオピア フルーツのような酸味と甘み、コクが特徴 |
マンデリン | 生産国:インドネシア しっかりとした苦味とコクがあり、酸味は控えめ。ボディの強さとハーブやシナモンのような上品な風味が特徴 |
ブルーマウンテン | 生産国:ジャマイカ 調和のとれた味わいと爽やかな後味も特徴。すべてのコーヒーの良さを合わせ持つことから「コーヒーの王様」と称されている |
キリマンジャロ | 生産国:タンザニア 強い酸味とコク、野性味のある味わいが特徴 |
グアテマラ | 生産国:グアテマラ フルーツを連想させるフレッシュな酸味、華やかな甘い香り、豊かなコクが特徴 |
(※2)日本で言われる「コク」のようなもの。
▶関連記事:コーヒー豆の買い方ガイド!失敗を繰り返して好きなコーヒーに出会える
3. コーヒー豆を焙煎する
コーヒーは、豆の種類だけでなく、焙煎度合いによっても酸味やボディ感が変わってきます。焙煎度合いは、大きく以下の3種類。
・浅煎り
・中煎り
・深煎り
それぞれの特徴を見ていきましょう。
焙煎度合い | 詳細 | 特徴 |
浅煎り | ライトロースト | 苦みが強く酸味が強い。 |
シナモンロースト | 苦みが強く酸味が強い。シナモンのような色。 | |
中煎り | ミディアムロースト | アメリカンコーヒーのような軽い味わい。 |
ハイロースト | もっともベーシックで、カフェや喫茶店でよく使われている。 | |
深煎り | シティロースト | 苦みが強く、香ばしい。エスプレッソ向き。 |
フルシティロースト | 苦みが強く、香ばしい。エスプレッソ向き。 | |
フレンチロースト | 苦みが強く、香ばしい。カフェオレ向き。 | |
イタリアンロースト | 苦みが強く、香ばしい。エスプレッソ向き。 |
コーヒー豆の焙煎は自分でもできますが、はじめはお店の人にやってもらうのがベストです。コーヒー豆を買う際に、一緒に焙煎もお願いしましょう。
また、家でコーヒーを淹れるなら「中煎り」がおすすめですが、豆の種類によって適した焙煎度合いが異なります。コーヒーは奥が深く、知らなくても決して恥ずかしいことではありません。「家でコーヒーを淹れるのがはじめて……」「ホットコーヒーに合うコーヒー豆を知りたい……」など、積極的にお店の人に聞くことをおすすめします。
家でカフェの味!ハンドドリップコーヒーの淹れ方
コツさえ掴めば、誰でも簡単に美味しいコーヒーを淹れられるのがハンドドリップコーヒーの魅力です。ハンドドリップコーヒーの淹れ方は、以下の手順です。
1. コーヒー豆を挽く
2. 95℃前後のお湯を準備する
3. ペーパーフィルターをお湯で濡らす
4. ペーパーフィルターにコーヒー粉をセットする
5. お湯を注いで30秒蒸らす
6. 「の」の字を描くようにお湯を注ぐ
1. コーヒー豆を挽く
そもそも、なぜコーヒー豆を挽く必要があるのか。理由は、コーヒーに含まれる成分を抜き出しやすくするためです。コーヒー豆は、挽いていない豆の状態でも抽出することは可能です。しかし、豆のままでは抽出に時間もかかり、コーヒー本来の風味を引き出すことができません。コーヒー豆を粉状に挽き、お湯との接地面を増やすことで、コーヒー本来の成分を抜き出しやすくするというわけです。
コーヒー豆の挽き方(粒度)と特徴をまとめた表が以下になります。
挽き方 | 特徴 | おすすめの淹れ方 |
極細挽き | 細かい粉状で、苦みや渋みが出やすいため、時間のかかる抽出方法には不向き | エスプレッソ |
細挽き | 極細挽きほどではないが、濃い目の抽出になる | ・水出しコーヒー ・アイスコーヒー |
中細挽き | もっともベーシックで基準となる粒度 | ・ハンドドリップコーヒー ・コーヒーメーカー |
中挽き | 時間をかけて抽出する淹れ方に向いている | ・サイフォン ・フレンチプレス ・ネルドリップ など |
粗挽き | 時間をかけて抽出する淹れ方に向いており、アウトドアでよく使われる | パーコレーター |
コーヒー豆は、挽き方によって抽出のされ方や適した淹れ方が異なります。
要するに
・細かく挽く:濃く渋いコーヒー
・粗く引く:薄く軽いコーヒー
になることを理解しておけば、はじめは大丈夫です。ハンドドリップコーヒーを淹れる際は、中細挽きを目安にコーヒー豆を挽きましょう。
▶関連記事:【初心者向け】コーヒー豆の挽き方|手動式コーヒーミルの正しい使い方
2. 95℃前後のお湯を準備する
コーヒーに注ぐお湯は、95℃前後が目安です。温度計があるとわかりやすいのですが、ない場合はある程度で測りましょう。
私の経験上、ケトルで沸かしたお湯をコーヒーポットに移して、数秒経ったら95℃前後になっています。温度計がない場合は、参考にしてみてください。
3. ペーパーフィルターをお湯で濡らす
ペーパーフィルターにコーヒー粉をセットする前に、一度ペーパーフィルターをお湯で濡らします。この作業を「リンス」と呼びます。
リンスすることで、紙臭さがなくなり、コーヒー本来の香りを楽しめます。また、ペーパーフィルターがドリッパーにくっついた方がお湯を注ぎやすいというメリットもあります。
しかし、リンスは好みの問題なので、要らない場合は工程から省いても問題ありません。
●リンスの手順
1. ペーパーフィルターの接着部分を折る
2. ドリッパーにペーパーフィルターをセットする
3. お湯を軽く2~3週程度注ぐ
4. マグカップに出たお湯を捨てる
4. ペーパーフィルターにコーヒー粉をセットする
リンスが完了したら、ペーパーフィルターにコーヒー粉をセットします。このとき、全体にむらなくお湯を注ぐため、ドリッパーを軽く振って平らにしましょう。
5. お湯を注いで30秒蒸らす
コーヒー粉をセットしたら、お湯を軽く注いで蒸らします。ハンドドリップコーヒーでは、この「蒸らし」が重要な工程で、味の決め手となるポイントでもあります。
コーヒー豆は、加工する過程で炭酸ガスが含まれます。炭酸ガスを含んだ状態でドリップすると、ガスが邪魔をしてコーヒー本来の風味を抽出できない可能性があります。そのため、蒸らしでしっかりと炭酸ガスを抜いてドリップすることがポイントです。
新鮮なコーヒー豆を使用していると、お湯を注いだときにモコモコと膨らんできます。この状態になれば、しっかり蒸らしができている証拠で、コーヒー豆も新鮮であることがわかります。
●コーヒーを蒸らす手順
1. 95℃前後のお湯を30g程度ゆっくり満遍なく注ぐ
2. 膨らむ様子を確認しながら20~30秒程度蒸らす
※蒸らし過ぎても渋みが増すので注意
6. 「の」の字を描くようにお湯を注ぐ
蒸らしが終わったら「の」の字を描くようにお湯を注いでいきます。ポイントは、一気に注ぐのではなく、抽出されるコーヒーの量を見ながら注ぐことです。慣れてきたら、注ぐお湯の量と抽出されるコーヒーの量が同じになるように心がけてみてください。
1回で注ぎ切ってもいいのですが、2~3回にわけて注いでも問題ありません。コーヒー1杯が約140ml程度なので、それを目安に注ぎましょう。
●お湯を注ぐ手順
1. 「の」の字で円を描くように注ぐ
2. 紙の香りがつかないように、フィルターに直接お湯を当てないようにする
3. 約140ml程度抽出したら完成
※最後まで抽出すると苦みが強くなるので、お湯が少し残った状態で中断する
まとめ
家でコーヒーを淹れる方法は、大きく5つ。
コーヒーの淹れ方 | 特徴 | 一杯あたりの金額 |
インスタントコーヒー | ・手軽で後片付けもラク ・コーヒーの風味は少ない | 10~20円 |
ドリップコーヒー(一杯抽出型) | ・ドリップパックによって金額が大きく変動する ・インスタントコーヒーよりもコーヒーの風味を感じられる | 20~300円 |
コーヒーメーカー | ・豆と粉の両方に対応している ・リモートワークなどに最適 | 50~100円 |
水出しコーヒー(コールドブリュー) | ・一回で大量のコールドブリューを作れる ・コスパもよく、夏に最適 | 40~200円 |
ハンドドリップコーヒー | ・本格的でコーヒーの風味が出る | 50~100円 |
人によっておすすめの淹れ方が違いますが、家で本格的なコーヒーを飲みたいなら「ハンドドリップコーヒー」がおすすめです。ハンドドリップコーヒーを淹れる手順は、以下のとおりです。
1. コーヒー豆を挽く
2. 95℃前後のお湯を準備する
3. ペーパーフィルターをお湯で濡らす
4. ペーパーフィルターにコーヒー粉をセットする
5. お湯を注いで30秒蒸らす
6. 「の」の字を描くようにお湯を注ぐ
コーヒーは淹れ方や抽出方法によって味が大きく変わります。“奥が深いからこそ面白い”自分の好きなコーヒーを見つけるためにも、いろいろなコーヒーを淹れてみてください。