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キッチンカーの電源はどこから?経験者が語るキッチンカーの電気事情

公開日:2024.04.15
更新日:2024.05.30

「キッチンカーはどこから電源を確保するの?」
「みんなキッチンカーの電気はどうやって点けているの?」

これからキッチンカーを始める方で、電源について悩んでいる方も多いのではないでしょうか。キッチンカー営業に電源の確保は欠かせません。しかし、どこからどうやって電源を確保しているのか疑問ですよね。そこで、この記事では以下のポイントについて解説していきます。

・キッチンカーの電源を確保する4つの方法
・キッチンカーの電源を確保する際の注意点
・キッチンカーにおける電源使用料の相場


この記事を読めば、ほかのキッチンカーがどのようにして電源を確保しているのかわかります。実際にキッチンカーを運営している私自身の経験も踏まえて解説していくので、参考にしてみてください。

編集者

SHUN HONKE

宮崎県初のクロッフル専門キッチンカーカフェ『kukuna cooffe』オーナー。Webマーケティング・クリエイティブ制作を中心に飲食店をサポート。趣味のキャンプを通じてコーヒーの魅力にハマる。その後、コーヒーの研究を重ね、ハンドドリップコーヒーを提供するキッチンカーカフェをOPEN。今後は、宮崎県の食文化を盛り上げることに尽力。

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    ほぼすべてのキッチンカーに電源は必要?

    これからキッチンカー開業を検討している方で「キッチンカーに電源は必須なの?」と思っている方も多いでしょう。結論、ほぼすべてのキッチンカーに電源は必要です。キッチンカーで電源を使用するおもなケースは以下のとおりです。

    ・食材を保存する冷蔵庫、冷凍庫
    ・ガスを使用する際の換気扇
    ・手や調理器具を洗浄するための給水排水パイプ
    ・キッチンカー内の照明器具
    ・レジやWi-Fi環境


    とくに、食材保存用の冷蔵庫・冷凍庫、換気扇、給水排水パイプ、照明器具などは、キッチンカーの必須設備です。保健所の審査でも確認項目として挙げられているので、必ず設置する必要があります。

    また、Airレジなどの導入でWi-Fi環境を作る場合も電源が必要です。音楽を流す場合も音響設備として電源が必要になるので注意が必要です。

    このように、キッチンカーにおいて電源の確保は切っても切り離せないものです。これから電源の確保する方法を紹介していきますので、参考にしてください。

    キッチンカーの電源を確保する4つの方法

    キッチンカーの電源を確保する方法は、大きく4つあります。

    方法メリットデメリット
    出店先に借りる・発電機などの資器材を持っていく必要がない
    ・安定した電気を使用できる
    ・基本的に電気使用料が発生する
    ・出店先によって使用ワット数が異なる
    発電機を持参する・どこでも電気設備を使える・重量が重く、運ぶのが大変
    ・音がうるさい
    ポータブル電源を使用する・車内のシガーソケットから使える・高電圧の調理器具は使用できない
    車載バッテリーを使用するなし・設備費用が高く、接続に失敗すると火災が起こりやすくなる



    それぞれの特徴(メリット・デメリット)について、詳しく解説していきます。

    1. 出店先に借りる

    もっとも楽でおすすめの方法が、出店先に電源を借りる方法です。出店先の電源を使えば、発電機を持っていく必要がなく、確実に電源を使用できます。キッチンカーでは基本的な方法で、スーパーやドラックストア、雑貨屋さんなどではほとんどが電源を貸してくれます。

    そのため、出店場所を確保する際に「電源の使用は可能か」確認しておくとよいでしょう。キッチンカーに慣れている出店先の場合「電気使用料は○○円です」と教えてくれます。万が一、言われなかった場合はこちらから「電気使用料はいくらですか?」と聞くようにしましょう。

    出店先の電源なので、使用料が発生すること以外にデメリットはありません。電気使用料も500円や1,000円など、安く貸してくれることがほとんどなので大きな負担にはならないでしょう。強いて言うなら、出店先によって使用ワット数の上限が異なることです。基本的には1600ワット使用できますが、場所によっては1300ワットが上限の場合もあります。使用電気量が多い場合は、事前に上限ワット数も確認しておくことをおすすめします。

    2. 発電機を持参する

    出店先の電源を使えない場合は、発電機を持参する必要があります。とくに、イベントなどでは電源の貸し出しがない場合が多く、キッチンカーを始めるなら1つは持ってきましょう。

    発電機はどこでも電気を使えるのがメリットですが、音がうるさく重量も重いので持ち運びが大変です。900ワット程度の発電機でも10kg以上、1600ワットの発電機になると20kg近くになります。女性が取り扱う場合、持ち上げた際などに腰を痛めてしまう可能性もあるので、十分注意しましょう。女性が1人で取り扱う場合は、キャスター付きでコロコロ転がせる発電機がおすすめです。

    3. ポータブル電源を使用する

    出店先の電源を使えない場合、発電機以外にポータブル電源を使用する方法があります。ポータブル電源は、発電機に比べて軽量で音が小さいのが大きなメリットです。

    近年では、環境問題の配慮からガソリンを使用する発電機を使えないイベントも増えてきました。その場合は、ポータブル電源を使用することになるので、イベント出店の際は注意しましょう。

    便利で使いやすいポータブル電源は、メリットが多く感じますが、もちろんデメリットもあります。それは、高電圧の調理器具を長時間使用できないこと。エスプレッソマシンやトースター、電子レンジなど、消費電力300ワット以上の調理器具は長時間使用できません。高電圧の調理器具を使用する場合は、10万円以上する高額のポータブル電源が必要です。

    そのため、ポータブル電源は、高電圧の調理器具をあまり使用しないキッチンカーに向いています。自分のキッチンカーがどのような調理器具を使用するのかを考えて、検討しましょう。

    4. 車載バッテリーを使用する

    キッチンカーの電源確保の方法として、車載バッテリーの使用もあります。しかし、こちらの方法はあまりおすすめしません。というより、なるべく使わないことをおすすめします。

    車載バッテリーは、サブバッテリーと走行充電器(アンソレーター)、インバーターの3つを使い自家発電を行う方法です。これらの取り扱いは素人では難しく、設置は専門業者に依頼するのがベストでしょう。万が一、DIYで取り付けに失敗すると、火災が発生する危険もあります。

    また、サブバッテリーは重量がとても重く、費用も高額です。キッチンカー営業にはあまり向いていない方法なので、できるだけ他の方法を検討しましょう。

    キッチンカーの電源を確保する際の注意点

    キッチンカーの電源を確保する際の注意点は、以下の5つです。

    ・事前に使用ワット数を計算しておく
    ・延長コードが必要か確認しておく
    ・外付けの冷蔵庫用温度計を設置しておく
    ・営業中以外は自宅の冷蔵庫で保存する


    事前に使用ワット数を計算しておく

    キッチンカーで電源を確保するなら、事前に使用ワット数を計算しておきましょう。たとえば、以下はクレープ販売の使用ワット数の例です。

    ●クレープ焼き器:750W(ワット)
    ●テーブル冷蔵庫:140W(ワット)
    ●天井照明:50W(ワット)
    ●換気扇:30W(ワット)
    ●レジ・会計システム:5W(ワット)


    上記のワット数をすべて足すと、975W(ワット)になります。この場合、使用ワット数が1,000以下なので、少し小さめの発電機などでも問題ありません。

    冷蔵庫や冷凍庫などは比較的使用ワット数が低く、オーブンや電子レンジなどの熱を発するものは使用ワットが高くなります。そのため、電子レンジとトースターを両方使用するなど、無茶な使い方をすると、電源が落ちてしまうケースも考えられます。

    事前にどれくらいのワット数を使用するのか、電気を使わずにガスに置き換えられないのかなどを検討しておくとよいでしょう。ちなみに、出店場所のほとんどが最大1,300ワットか1,600ワットです。なるべくこれ以下に抑えると安心して営業できるのでおすすめです。

    延長コードが必要か確認しておく

    出店先から電源を借りる場合、延長コードが必要かどうかも確認しておきましょう。出店先によっては、延長ケーブルがないと外部電源のコンセントに届かないことがあります。

    延長コードを貸してくれる出店先もありますが、今後のためにも1つ持っておくことをおすすめします。キッチンカーで使用する延長コードは、屋外用で防水性に優れたものを選ぶのがベストです。延長コードやコードリールなどと呼ばれているので、ホームセンターで探してみてください。

    外付けの冷蔵庫用温度計を設置しておく

    基本的に、キッチンカーが走行中は電力が入らないため、冷蔵庫などすべての電化製品が動きません。これでは、食材が庫内で正常に保存されているのかわからないため、キッチンカーでは外から庫内の温度を確認できる「冷蔵庫用温度計」が必須です。

    とくに、夏場は食中毒が増える時期でもあります。食を提供する者として、食材の保存方法には十分注意しましょう。ちなみに、冷蔵庫用温度計がないと(外から庫内の温度がわからないと)保健所の審査は通りません。キッチンカー開業においては必須項目なので、準備しておきましょう。

    営業中以外は自宅の冷蔵庫で保存する

    これからキッチンカーを始める方で「営業中以外は、みんな食材をどこで保存しているの?」と疑問を抱いた方も多いでしょう。

    基本的に、営業中以外は自宅か事務所(オフィス)の冷蔵庫で保存します。もしくは、冷蔵庫ごと自宅に持ち帰り保存するかです。どちらにせよ、キッチンカーを始めるなら自宅にも保管スペースが必要になるので注意しましょう。

    出店先で電源を借りる際の費用相場

    出店先で電源を借りる際の費用は、500~1,000円程度が相場です。私の感覚では、スーパーなどは無料で貸してくれることが多く、その分出店料が高く設定されているイメージです。

    電気代が発生するとはいえ、そこまで大きな負担になるわけではありません。しかし、場所によっては出店料と電気代を合わせると、結構取られてしまうこともあるので十分注意しましょう。

    まとめ

    キッチンカーの電源を確保する方法は、大きく以下の4つです。

    方法メリットデメリット
    出店先に借りる・発電機などの資器材を持っていく必要がない
    ・安定した電気を使用できる
    ・基本的に電気使用料が発生する
    ・出店先によって使用ワット数が異なる
    発電機を持参する・どこでも電気設備を使える・重量が重く、運ぶのが大変
    ・音がうるさい
    ポータブル電源を使用する・車内のシガーソケットから使える・高電圧の調理器具は使用できない
    車載バッテリーを使用するなし・設備費用が高く、接続に失敗すると火災が起こりやすくなる



    おすすめは「出店先から借りること」です。重い発電機を持っていく必要もなく、余計は手間もかかりません。電気代が発生するとはいえ、500円や1,000円程度なのでそこまで大きな負担にもならないでしょう。

    ただし、キッチンカーで電源を確保する際は、使用ワット数や延長コードの有無などは事前に確認しておく必要があります。使用する電化製品のワット数を計算して、足りない場合は発電機で補うなど、柔軟に対応できるようにしましょう。

    店舗型の飲食店とは違い、キッチンカー特有のルールや営業の仕方が数多くあります。不安や疑問がある方は、現在営業中のキッチンカーに訪ねてみるといいでしょう。kukuna coffeeを運営する弊社でも、キッチンカーのサポートを実施しております。ご相談自体は無料ですので、お気軽にご連絡ください。