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キッチンカーカフェの実態!開業前に知っておきたいリアルな実情

公開日:2024.05.21
更新日:2024.05.30

「いつかはカフェを開業したい……」誰しも憧れるカフェ開業の夢。その夢を現実にできるのがキッチンカースタイルです。しかし、キッチンカーカフェで儲かるのか。そもそも需要はあるのかなど、不安なことも多いはずです。そこで、この記事では、以下のポイントについて詳しく解説していきます。

・キッチンカーカフェが人気の理由
・キッチンカーカフェの辛いところ
・キッチンカーカフェの売上目安
・開業するなら知っておきたいポイント


キッチンカーには店舗型とは異なるポイントがいくつかあるため、メリット・デメリットを把握しておく必要があります。実際にキッチンカーカフェ『kukuna coffee』を開業した私自身の経験談を踏まえて紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

編集者

SHUN HONKE

宮崎県初のクロッフル専門キッチンカーカフェ『kukuna cooffe』オーナー。Webマーケティング・クリエイティブ制作を中心に飲食店をサポート。趣味のキャンプを通じてコーヒーの魅力にハマる。その後、コーヒーの研究を重ね、ハンドドリップコーヒーを提供するキッチンカーカフェをOPEN。今後は、宮崎県の食文化を盛り上げることに尽力。

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    キッチンカーカフェが人気の理由|店舗型との違いとは

    キッチンカー形態のカフェは意外に多く、探すと結構出てきます。また、ここ数年でさらに増えてきた印象です。では、なぜキッチンカーカフェが人気なのか。その理由は、大きく以下の3つが考えられます。

    1. 初期費用が安い
    2. 集客しやすい
    3. オペレーションがラク


    1. 初期費用が安い

    キッチンカースタイルの大きなメリットは、初期費用が安いことです。店舗を構えると家賃だけでも数十万円、1から建てる場合は数千万円かかります。

    その点、中古車を改造してキッチンカー仕様にすれば数十万円程度で始められます。新品のキッチンカーを購入しても、200~500万円程度なので、店舗に比べると少ない初期費用で開業できることがわかります。以下の表に店舗型とキッチンカーの初期費用相場の違いをまとめました。

    カフェ形態固定費初期費用
    店舗型カフェ10~100万円500~1,500万円
    キッチンカーカフェ~5万円(ガソリン・保険料など)50~500万円

    どちらも規模によって初期費用は大きく変わりますが、それでもキッチンカー初期費用は安いといえます。キッチンカーの費用については、以下の記事を参考にしてみてください。

    ▶関連記事:キッチンカーの値段はピンキリ?開業前に知っておきたい車種別相場

    2. 集客しやすい

    カフェなどの飲食店において、もっとも重要なのが集客率です。どれだけ美味しいコーヒーがあっても、お客さんが来なければ売上は伸びません。

    店舗型カフェの場合、コーヒーが美味しい+SNSやホームページ、ビラ配りなどでしっかりマーケティングする必要があります。マーケティングには、手間や費用がかかるため、初期費用以上に予算を準備することが重要です。

    その点、キッチンカーは出店場所の集客力をそのまま利用できます。お店自体に認知度がなくても、スーパーやドラッグストアなど来客数の多い場所に出店することで簡単に集客できます。とはいえ、お店に魅力がないと購入にはつながらないので、マーケティング施策は重要です。

    このように、キッチンカーカフェは店舗型カフェに比べて集客しやすいといえます。SNSが苦手、マーケティングはよくわからないという方でも安心して始められるでしょう。

    ▶関連記事:SNSより大事?成功するキッチンカーの集客方法|効果的な5つの施策

    3. オペレーションがラク

    キッチンカーで提供するメニューは工程が少なく、オペレーションがラクになります。基本的にキッチンカーのオペレーションは「来店⇒注文⇒作業⇒提供」の4工程です。店舗型のように、ホール業務やバッシング(お皿などの片付け)、洗い物などは必要ありません。

    そのため、軽バンや軽トラック程度の大きさであれば1オペレーション(以下、1オペ)でも容易に回せます。現に、私の運営するキッチンカーカフェでも1オペが基本です。

    提供スピードなどの慣れは必要ですが、店舗型に比べてオペレーションがラクな点は大きなメリットといえるでしょう。

    キッチンカーカフェの辛いところ

    キッチンカーカフェはメリットの多い業態ですが、実際にやってみると辛いところもあります。キッチンカーカフェの開業を検討している方は、必ずご確認ください。

    客単価が低い

    キッチンカーカフェの辛いところは客単価の低さです。店舗型の場合、そのお店のコーヒーの味を目当てに来るお客さんが多いため、コーヒー1杯あたりの値段を高く設定しても客足は遠のきません。また、店舗型の場合は場所代が含まれていることや、一緒にケーキやパンなどを注文できるので、客単価を上げやすいという特徴があります。

    しかし、テイクアウトが基本のキッチンカーでは、場所(寛げる空間)を提供することができません。そこまでコーヒーにこだわりがない方からすると、1杯500円などは高く感じてしまうでしょう。

    コーヒーを売りにする場合は、値段が高い理由やこだわりポイントなどを看板に書いて伝えるなど、工夫を凝らす必要があります。また、薄利多売にならないように、サイドメニューとしてスイーツやお食事系のメニューを提供するのもひとつでしょう。

    リピーターの獲得が難しい

    店舗型に比べてキッチンカーカフェはリピーターの獲得が難しいです。キッチンカーは、固定された出店場所がなく、さまざまな場所に出店します。そのため、いつも決まった時間に来るリピーター(常連客)の獲得が難しく、売上の見込みが立たないというデメリットがあります。

    しかし、キッチンカーでも、LINE公式アカウントのショップカードやクーポンなどを活用してリピーターを獲得することは可能です。キッチンカーカフェを開業する際は、新規顧客と同じように、リピーターの獲得にも目を向けましょう。

    回転率が悪くなる

    キッチンカーカフェで注意すべきは「コーヒーの淹れ方」です。ハンドドリップコーヒーの場合、どうしても時間がかかってしまうため回転率が悪くなりがちです。そのため、回転率を上げるなら、インスタントやコーヒーマシンの使用を検討しましょう。

    私の運営するキッチンカーでもハンドドリップコーヒーを提供していますが、やはりコーヒーの注文が入ると提供スピードがだいぶ遅くなります。

    コーヒーの風味や味わいを取るか、提供スピードやオペレーションを取るか。このあたりはよく考えて、メニューを考案しましょう。

    結果キッチンカーカフェは儲かる?気になる売上

    キッチンカーカフェを開業するうえで、もっとも気になるのは「儲かるのか?」ということでしょう。

    結論、キッチンカーカフェで儲かるかどうかは自分次第です。

    出店場所の確保やマーケティング、効果的なイベントへの参加など、キッチンカーは経営者(運営者)次第で結果が大きくかわります。はじめは、お店のターゲット層に合った出店場所を見つけることが大変ですが、徐々に地域や出店場所ごとの特性がわかってくるので問題ありません。

    売上も軽バン・軽トラックサイズで月70~100万円程度はすぐに超えるでしょう。原価で30%、ガソリン代、その他諸経費を差し引いても30~50万円程度は手元に残るはずです。

    とはいえ「いきなり始めるのは怖い……」という方も多いでしょう。そんな方は、土日だけレンタルやキッチンカーリースなどを活用して試験運用してみるのもおすすめです。

    開業前に知っておきたい3つのポイント

    キッチンカーカフェの開業は簡単にできますが、その後上手くいくかは自分にかかっています。ここでは、開業前に知っておきたいポイントを3つ紹介していきます。

    1. こだわりポイントを決める

    キッチンカーカフェを成功させるためには、こだわりポイントを明確にする必要があります。

    たとえば、

    ・○○産のコーヒー豆を使用する
    ・ハンドドリップで淹れる
    ・おしゃれな外装、内装


    など、こだわりポイントが明確であれば、お客さんもお店の強みや世界観を理解しやすくなります。「あそこのキッチンカーカフェは○○なコーヒーが特徴」という風に認知されれば、お店目当てのお客さんも増えていくでしょう。

    しかし、すべてこだわってしまうと、利益率やオペレーションなどが難しくなる可能性もあうので「こだわりと妥協」のバランスが重要です。自分の中でこだわりポイントの優先順位をつけ、うまく調整しましょう。

    2. 原価率を考慮してメニューを決める

    キッチンカーを開業するうえで原価率はとても重要です。原価率とは、売上高における原価の割合で、原価率が低いほど利益率は高くなります。つまり、多くの利益を得るためには、いかに原価率を下げるかがカギを握ります。

    しかし、近年ではコーヒー豆も決して安くなく、キッチンカーでは値段もそこまで上げられないので原価率を下げることは非常に難しいです。原価率を下げるためには、安い卸売店からの仕入れや自家焙煎などに挑戦してみるのもいいでしょう。

    また、原価率の高いコーヒーだけではなく、カフェオレやカフェラテなど原価率を下げられるメニューを提供するのもひとつです。メニューを決める際は、原価率を考慮しながらうまく利益が発生するように調整しましょう。

    3. 飲みやすいコーヒー豆を選ぶ

    店舗型とは違い、キッチンカーでは飲みやすいコーヒー豆を選ぶのもひとつです。要するに、万人受けするコーヒー豆を選ぶということです。

    たとえば、酸味の強いコーヒー豆は、苦手な人にとってはあまり美味しいと感じない可能性があります。このあたりは好みの問題ですが、不特定多数のお客さんが来るキッチンカーにおいて「飲みやすいコーヒー豆」は必須です。

    もし、コーヒー豆を数種類準備できる場合は、飲みやすいコーヒー豆とこだわりのコーヒー豆を準備するとよいでしょう。

    まとめ

    キッチンカーカフェは、店舗型のカフェに比べて手軽に開業できる一方で、デメリットもあります。たとえば、客単価が低く、リピーターの難しいなど。初期費用が安くすぐに開業できる分、そういったデメリットには十分注意しましょう。

    また、キッチンカーカフェを成功させるためには、以下のポイントを押させておきましょう。

    1. こだわりポイントを決める
    2. 原価率を考慮してメニューを決める
    3. 飲みやすいコーヒー豆を選ぶ


    キッチンカーの開業は難しいといわれることも多いですが、経営が簡単な事業などありません。しかし、しっかりと準備をして、正しいやり方をすれば必ず売上は上がります。キッチンカーカフェの開業を迷っている方は、お気軽のご相談ください。